管理制度の構築・改善

適切に経営が管理できているか?

会社規模が一定以上大きくなると、経営者がすべての会社業務を見渡せなくなってきます。
業績を正確に把握する、従業員の不正や誤謬などを抑える、担当者のスキルに依存せず安定的な品質で仕事を進めるためには、管理制度の構築が重要となってきます。
業務を標準化し、内部統制などのルールを入れ、規程やマニュアルで明文化することが必要となりますが、会社規模やリスクの程度と比して過度な管理は業務効率を落とすため、適切なバランスで設計することが重要です。

良くある問題

経営の羅針盤ともいうべき決算情報を正しく捉えるためには、管理会計や原価計算、内部統制といった仕組みづくりが鍵となります。
会計以外にも、顧客管理、生産管理、販売管理などの管理制度構築や精度の向上、業務の効率化等のニーズも多く聞きます。

タイムリーに欲しい数字が見えない

月次決算は経営の羅針盤です。遅くとも翌月の上旬までには数字を確定し、予算・前年実績等との比較分析を行い、その差異原因を分析し、迅速なアクションプランを立てて行くことが重要です。
しかし、売上や仕入、各種の経費などの入力が遅く数字がなかなか出てこない、入力データが月ごと人ごとにバラついていて正確性に乏しいといったケースを見受けます。
加えて、経営戦略・計画をモニタリングするのも月次決算など管理会計の役割です。例えば、新規市場への進出を戦略テーマに掲げているのであれば、管理会計上もそれらの数値を明示できるように設計することが重要です。

個別製品・サービスの収益性が見えない

中小製造業においては、調達した原材料や部品だけを売上原価とし、原価計算を行っていないケースをしばしば見かけます。
ポイントは労務費や経費となるのですが、部品代は安い一方で社内加工時間が長く掛かるものと、部品代が高くて加工時間が短いものは、どちらが本当は儲かってんだという議論も良く聞きます。
時間あたりの労務費単価を適切に算出し、加工時間をもとに個別製品ごとの原価計算を行うことが重要です。
この場合に実際加工時間の測定や集計に手間が掛かるという場合には標準原価計算の導入も一案となります。
加えて製品別の加工工程と各工程での標準加工時間を適切に設定できれば、生産計画の自動スケジューラー等も導入でき、副次的な業務改善効果も期待できます。
また、サービス業などにおいても、個別原価計算を行って、見積・実行予算と実績との差異分析を行うことも有効です。

管理に追われて業務効率が悪い

業績の適切な把握やリスクの低減のために様々な管理ルールを導入されることが多いと思いますが、そのコスト効果を見たときに疑問に思えるようなケースも見受けられます。
たとえば、月次決算において、その正確性にこだわるあまり、業績にあまり重要な影響を与えない数字の確定に時間と労力を掛けているケースなどです。
月次決算の目的から考え、経営判断を誤らせない程度の金額的重要性が低いものに関しては、正確性よりも業務効率を優先すべきだと考えます。
また、不正や誤謬を予防するためのルールに関しても、リスクが発生する確率と発生した場合の損害額と比して、過剰とも言える管理を行っているようなケースも見られます。
管理の仕組みを構築する上では、常に金額的重要性やコスト効果を意識しておくことが重要です。

サービスメニュー

管理会計制度構築

適切に部門別の業績を把握し、経営戦略のKPI管理を可能とする月次決算制度の構築を支援します。予算策定の方法や勘定科目や部門コードの設計、配賦ルールの検討や会計システムへの設定、帳票の設計、月次会議の運用方法の助言などを行います。

原価計算制度構築

製品別、プロジェクト別等の収益性を把握するための原価計算制度の構築を支援します。生産管理システムや会計システム等とも密接に関連するため、既存システムへの改修要件を整理する形やEXCEL等を活かして簡易的に原価計算を行う形もご提案可能です。また、標準原価計算の導入などもご支援いたします。

各種管理制度構築・業務改善

販売管理や購買管理、在庫管理、生産管理などの個別業務の管理精度の向上や内部統制制度の構築を目的に抜本的なシステム改修を伴わない業務改善を行います。コンピューター在庫と実在庫の差異や原価のブレなどは運用に起因する問題が多いと認識しています。

これまでの実績

当該領域の代表的なコンサルティング実績は以下の通りです。(前職時代含む)

No業種テーマ
1プラント建設活動基準原価の算出とグループウェア導入支援
2金属加工品製造原価計算の精度向上のための制度改善検討
3食品卸売業理論在庫の正確性向上に向けた業務改善支援
4外食チェーンセントラルキッチンの原価計算制度導入
5電力会社新製品の研究開発にあたっての原価計算教育
6通信工事会社原価管理手法の課題整理と改善方向性の検討
7製鉄業業務効率化・高度化のための生産計画業務改善
8情報通信業務量調査に基づく新業務プロセス策定検討
9再生エネルギー経営計画シミュレーションモデル構築
10ホームセンターMD部門の業務標準化及びマニュアル作成
11酒類製造業営業力強化のための営業管理体制の再構築
12ゴルフ場顧客管理及び販売促進業務に関する業務改善
13ホームセンター上場準備に向けた内部統制制度構築支援
14飲料メーカー本社スリム化に向けた業務改革支援
15レストラン店舗別KPIの設定と業績評価報酬制度の検討