コラム

デジタル庁の設置で日本人の意識改革に期待

いまどき紙のクーポンですか?

ここ数年、旅行の予約はほぼオンラインだったのですが、今回はGoToトラベルキャンペーンを利用しようと久々に旅行代理店に行ってみました。普通は予約がいるそうですが、たまたま30分だけ空いていたらしく、すぐに申込書作成に入りました。
住所、氏名、電話番号、生年月日、出発地、訪問地、行き帰りの日程などを記載して、パンフレットからホテルと新幹線の希望を選びます。空席、空室を確認してもらいます。
従業員の方が、申込書やパンフレットを見ながらガチャガチャとパソコンに入力され、予約が固まるまでに約10分。
顧客に最初からタブレットで入力させたら早いのになぁと観察してましたが、長かったのはむしろその後でした。発券して注意事項の紙をもらうまでに20分程度。
その後、地域共通クーポン券の発券なのですが、紙の券面に訪問エリアのシールを貼って、利用開始日と終了日のスタンプを押し、手書きで管理台帳に番号を控えていきます。僕は7枚だったのですが、これ20枚とかになると結構大変だなと。
結果、トータルで30分、次のお客様の予約までにギリギリ終わった感じでした。

人口一人あたりGDPはG7各国の中で最低に

早くこういう非効率なことはやめた方が良いなと思ってますが、そもそも日本の生産性ってどうなんでしょう?
国家の生産性を見る指標の1つに人口一人あたりのGDPがあります。これを比べてみようと1995年から2019年までのG7各国の数値をプロットしてみました。

まだ『Japan as No1』と言われて、バブルの雰囲気も残っていた90年代まで日本はほぼトップクラスですが、2013年からは低位で安定してます。
もちろん、為替や高齢化等の影響もあるのでしょうが、私はデジタル化の遅れがその要因の1つと考えてます。

世界デジタル競争力ランキングでも低位安定

各国のデジタル化の進展状況を見る一つの指標として、スイスのIMD(国際経営開発研究所)の世界デジタル競争力ランキングがあります。
このランキングで日本のデジタル化の進展度を2013年から見てみると、中国や韓国が順位を上げる一方で日本は低位で安定、直近は27位まで落ちています。

2018年に中国に無人店舗の視察に行った際も、日本の小売分野のデジタル化の遅れを感じましたが、その差はさらに広がっているかも知れません。
この調査の小項目でビッグデータ活用やデジタル人材のグローバル化、企業の変化迅速性は調査対象国の中日本は最下位でした。

菅首相はデジタル庁の設立を主要政策課題に上げていますが、役所だけでなく、我々民間人の意識の変革が重要だと考えます。
これをきっかけに、紙で申込書を書いて、印鑑を押し、現金で決済することを『当たり前』と受け流さない、むしろ強烈に違和感を感じる、そんな時代に変わっていくことが必要なんだろうなと思った次第です。