コラム

名刺からFAX番号と固定電話番号から無くすことがDXの第一歩

FAXと固定電話が業務効率向上を妨げてないか?

今回作成した新会社の名刺にはFAX番号は入れませんでした。
自分からFAXを送信する必要性を感じないことと、FAXを受信するとその後の文書管理に手間がかかってしまうという理由からです。
企業内においてもFAXで取引先との受発注や社内連絡などを行うがゆえに、ペーパーレス化が進まず、送信作業やパソコンへの入力作業などのムダが発生していると考えています。
また、名刺に代表電話が書いてあるから、その番号に取引先が電話をする、結果、電話の取次ぎのような付加価値の低い業務が発生するのだと考えます。電話の取次ぎはそれ自体がムダですが、それによって作業が中断され、集中力が切れることによって、本来業務の効率まで落ちてきます。

先日、私も取引先からFAXで資料を送ってもらえないかと要請された際に、PDFをメールで受信できないか確認したところ、メールが使えないという良く分からない返事。
「写メで資料を撮って、個人携帯にLINEしても良いですか?」と聞き返すと、それでも全然大丈夫ですと言われました(笑)。
コロナ禍で在宅ワークも増えているので、LINEで済むなら圧倒的にその方が業務効率は高いですね。

FAX、固定電話の世帯普及率は33%、69%まで低下

昨今は在宅ワークが増えてきていますし、一般家庭にFAXがそもそもどのくらいあるのか、世帯別のFAXの普及率を調べてみました。

総務省 通信利用動向調査(世帯編) 令和元年

これを見ると若干統計の誤差はあるのでしょうが、10年前に5割強あった普及率が、2019年には3分の1まで減ってきています。このままいくと、5年後にはもはや家庭のインフラとは言えなくなりそうですね。
ついでに固定電話の普及率をみると2005年には9割あったものが7割を切るようになっています。固定電話も、そのうち家庭の半分にしか置いてないという時代になるのでしょうか。

企業間取引のEC化率はまだ32%

一方で、企業間の電子商取引がどのくらい進んでいるのかも調べてみました。こちらは、2019年の普及率が31.7%となっていますね。まだまだ企業間の取引の7割近くは、電話やFAX、郵送、対面などで取引が行われているようです。
2005年段階では20%程度ですので着実には増えているとはいえますが、家庭の固定電話やFAXの減少に比べるとややゆっくりした進行かなと感じています。

経済産業省 電子商取引に関する市場調査


FAXなどの紙資料を無くして電子データ化すれば、紙資料のファイリング・保管が簡素化されるとともに、パソコン入力作業も不要となります。さらに、後日の資料検索も効率化されますし、将来的にはRPAやAIなどを活用した自動化にもつながると考えています。
DXを推進する私としては、「名刺からFAX番号と固定電話番号から無くそう」ということを強く推奨していきたいと思った次第です。