IT戦略・システム化構想策定

ITを経営に活かせているか?

今や経営はIT無しでは語れなくなってきています。コストやスピード、顧客満足度など、経営に重要な影響を与える競争要因が情報システムに依存してきているからです。
さらにロボットやAI、IoTなどデジタル化がさらに進展してきており、DX(デジタルトランスフォーメーション)が次の競争の源泉となりつつあります。企業には、経営戦略をサポートし、競争優位を作り出すITの整備が必須といえます。

問題の所在は?

リースアップやサポート切れ等の問題から、数年に一度、基幹システムを更新する企業が多いと思います。
この更新を通じて、古くなってきたインフラから最新の技術を活用した環境を活用したシステムにリニューアルするとともに、顧客や競争環境の変化に合った形に業務プロセスを刷新するケースを多く見受けます。
このような基幹システムの更新は、生産設備や建築物と同様、比較的多額の予算を必要とするとともに、一度作ったものを長い期間使わなくてはならないという特性があります。
そのため、将来の技術環境やビジネス環境を見渡しながら慎重に設計し、開発していくことが重要となりますが、実際には下記のように設計・開発過程がずさんで経営者が期待していたようなシステムが開発できないケースも多いようです。

既存システムの単純な置き換えに留まる

上述の通り、基幹システムのリプレースは、古くなってきた業務プロセスを抜本的に見直す絶好のチャンスとなりますが、業務プロセスは現行のままで手を入れず、インフラを単純に置き換えただけのようなケースが見受けられます。
その背景として、時間的余裕をもって次期システム刷新の準備に取り組んでいない、人的リソースが足りないなどから、新システムの業務要件を検討する構想策定フェーズや基本計画策定フェーズを行っていないケースがあります。
また、IT部門やベンダーが極力不確実性やリスク、プロジェクトへの負荷を最小化することに主眼を置き、業務プロセスの刷新には手を付けたがらないケース等も見受けられます。

新システム要件の詰めが浅く、抜け漏れがある

次期システム化の構想策定には取り組んでいるケースでも、ユーザー部門をプロジェクトに巻き込めておらず、現状の経営課題や業務課題の洗い出しが十分ではないようなケース、改善の方向性が具体的でなくイメージだけで終わっているケースも見受けられます。
ベンダーに提案依頼を行う上では、ある程度具体的な要件を整理したRFPが必要となりますが、要件があいまいな状態で開発に入ると、開発作業が停滞するとともに、当初の想定を上回る開発予算の増加、時間切れによる改善要件の先送り改善要件が抜け漏れたままの見切り発車などが起こりがちです。

詰め込み過ぎでギブアップ

逆のパターンで理想像を追求するがあまり、現状からストレッチした要件を詰め込み過ぎて、ユーザー側が新業務の検討についてこれない、開発サイドがまとめきれない、といった理由からプロジェクトが破綻するケースも見受けられます。
新システムの改善目標をどこに置くかという議論にもなりますが、大きくストレッチしたあるべき理想像成り行きで実現できるストレッチのない現実的な目標が両極端にあるとすれば、この中間の少し上を目標に設定していくことが重要と考えます。
また、安定していない新技術をシステム化構想の中に取り入れるケースもありますが、この場合には特に慎重な検討が必要です。状況によっては、別プロジェクトに切り出し、並行して技術実証試験(PoC)を進めた方がベターであることが多いようです。

サービスメニュー

IT戦略策定支援

IT戦略とは、経営戦略の達成に寄与することを目的として、将来のあるべきIT像を描き、IT予算やIT人材などの限られた資源の最適分配計画を策定するものです。
具体的なステップとしては、まずは経営戦略レビューや現状業務フローの課題整理などビジネス面での現状分析とアプリケーションシステムやITインフラ、IT部門の課題整理などシステム面での現状分析を実施します。
その上で、ビジネス・ITの最新トレンドやベストプラクティスも取り入れながら、将来のあるべきIT像を描き、その実現のための施策オプションを作成します。
最終的にITリソースの制約を勘案し、各施策オプションの評価と取捨選択を行った上で、中長期のビジョンやアクションプランにまとめます。

システム化構想策定支援

管理会計システムや顧客管理システム、生産管理システムといったような個別システムの新規導入やリプレイスにあたって、その目的やシステム化要件、費用対効果などを明確にしたシステム化構想を策定します。
基本的なステップは上述のIT戦略と同様ですが、より特定のテーマに掘り下げて将来像を具体化するとともに、候補となるベンダーやパッケージのRFI(情報提供依頼)を通じて、投資額とコスト削減等の効果を明確にします。
そのう上で、必要に応じてRFP(提案依頼)の作成や、プレゼンテーションへの立ち合い、提案内容の評価などのベンダー選定作業も支援します。
また、新規事業の検討などにおいて、ITを活用して全く新しいビジネスプロセスを創造するようなケースもありますが、上記と同様のステップを通じて、構想の策定をサポートします。

システム開発・導入支援

システムの開発・導入は基本的にベンダー選定後に、ベンダー様に実施していただきますが、ベンダー様との設計開発作業に不安が残る場合には、弊社にてクライアント側のプロジェクトマネジメントを支援します。
必要に応じて、ベンダーとの要件定義ミーティングへの参加、業務要件の整理、ユーザー受入テストの支援やユーザー教育の支援なども実施します。
また昨今のAIやIoTといったデジタルテクノロジー活用にあたってのPoC(実証実験)のご支援なども行います。

これまでの実績

当該領域の代表的なコンサルティング実績は以下の通りです。(前職時代含む)

No業種テーマ
1化学品商社基幹システムのシステム化計画策定及び導入支援
2情報通信業新システム導入に向けた業務要件整理・RFP作成
3食品商社基幹業務の刷新に向けたシステム化計画策定
4建設資材製造現状業務・システムの課題整理と改善方向性検討
5電力会社会計システム導入にあたってのシステム監査
6学校法人全社最適に向けた業務改革構想の立案とIT導入支援
7ドラッグストア既存システムの在庫評価ロジックの問題点調査
8金属加工品製造原価計算制度最適化のためのシステム化計画策定
9化粧品製造生産計画・SCM改革のためのIT戦略策定・導入支援
10レジャーCRMシステム再構築に向けた構想策定支援
11食品製造サプライチェーン改革に向けたIT戦略立案
12建設資材商社基幹システム刷新のためのグループIT戦略策定
13日用品小売全社業務最適化に向けた業務改革構想・IT戦略立案
14鉄道会社バックオフィス部門の業務改革・RPA導入検討
15運搬機器販売介護事業部門の業務改革とシステム化計画策定